それもまたプロゲーマーならではなのかな と思っています
「ひたすらゲームを続ける」という状態は、確かにまだ一部の対戦型ゲームで一般に行われています。Sun 選手はそれを認めていますが、プロゲーマーの生活にもっと包括的なアプローチを取り入れている人も、早朝まで SoloQ (一人でランクモードをプレイすること) で準備を続ける仲間より厳しいとは言わないまでも、同等には過酷であると主張しています。
これまで以上にスピード感や没入感が増したゲームを見るにつけ、プロゲーマーの生活にも幻想を抱いてしまいます。ところで個々の e スポーツプレーヤーは、そしてその延長線上にいる e スポーツのチームは、優れたゲームプレイを維持するための土台となる日課をどのように続けているのでしょうか?この疑問を解くため、Overwatch*、Counter-Strike*: Global Offensive (CS:GO)、League of Legends* のプロプレーヤーに話を聞いてみました。
League of Legends* など、確立されている e スポーツ競技の場合、基本的に通常のゲーマーがプレイするのと同じゲームを何度も何度も繰り返しプレイします。
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プロゲーマーの人生は、皆が思うほど緩くてのんびりしているわけではありません。「e スポーツの世界で息抜きが難しいのは、趣味を仕事にしているからだと思います。通常人々がするように、仕事や社会生活をリラックスできる活動と切り離して考えることがとても難しい場合があるのです。」とギャラガー選手は語ります。こちらで、e スポーツのプロになる方法について詳しく知ることができます。
今はプロゲーマーもスポーツ選手のようなルーティーンや組織で活動していて、そのあたりもストリーマーやYouTuberと違う部分かもしれません。
僕らはゲーミングハウスというところで寝泊まりしながら、昼の1時頃に起きて深夜の4時か5時頃に寝るという生活を続けています。起きて食事をしたあと練習試合をして、個人練習を挟んで夜にまた練習試合、そこからまた個人練習をして寝るというのが毎日のルーティーンですね。
あと、チームにはコーチがいて、試合の日まで戦術について話し合いを繰り返したり、試合前には何をどのくらい食べるかということが決まっていたりするので、チームで活動しているという意識が強いですね。試合前に行う「チャンピオン」といわれるキャラクター選びもコーチと相談しながら決めています。eスポーツと呼ばれるようになったこともそうですが、プロゲーマーはアスリートに近い存在になってきていると思いますね。
『LoL』にはゲーム内に個人のランキングがあって、僕はそのランキングの上位に入っていたんです。はじめはずっと一人でプレイしていたんですけど、だんだんチームでやってみたいと思うようになって、メンバーを募集していた「FocusMe」という一般のチームに参加しました。
「FocusMe」は日本国内でそれなりに強いチームだったこともあって、今所属しているDetonatioN Gamingからチーム単位で誘ってもらったんです。DetonatioN
Gamingはマルチゲーミングチームなので、いろんなタイトルごとにチームがあるのですが、そのなかの一つという形ですね。その後、DetonatioN Gamingに所属して 2年くらい経った頃に「DetonatioN
FocusMe」がプロ化することになって、そこからプロゲーマーとしての活動がはじまりました。
プロゲーマーの定義については世界的にもまだ曖昧な部分があるんですが、僕個人の認識としては、「スポンサー契約をしていて、ゲームの大会に出場して得た賞金で食べていける人間」がプロゲーマーだと思っています。ゲーマーというくくりだけで言うと、ゲームの実況配信を行うストリーマーやYouTuberのようなジャンルもあるので、明確に分けるとすれば「大会に出て賞金を得る」というのが大きな違いですかね。それに、チームにスポンサーがついていれば、契約金が発生しその一部が僕ら選手の活動費となっていきます。それもまたプロゲーマーならではなのかな、と思っています。
この件でインタビューした 2 人のプロゲーマー、Counter-Strike*: Global Offensiveチーム Team Dignitas の Lynnie Noquez 選手 (プレーヤー名: artStar)と、League of Legends*チーム Clutch Gaming Academy の Cody Sun 選手はともに、6 ~ 8 時間程度の体系的に計画されたチーム練習の日課があり、これに数時間の自主練習を必ず補足するといいます。Noquez 選手は、典型的な毎日のスケジュールを次のようにまとめています。
世界でさらに勝ち進むためにすべきことは、練習をいかに効率的に行うか、どんな戦術なら有利に試合を進められるか、そういうことを考え続けることだと思っています。考えながら練習する場合とそうでない場合で上達の早さは変わってくるんです。もちろん練習量も重要なので、考えながら誰よりも練習する。チームメンバーはもちろん、世界のどんなプレイヤーよりもたくさん。それを続けていれば自然と勝ちはついてくるんじゃないかなと。
あとは、メンタルの話になりますが、負けず嫌いであることも勝つための大きな要素だと思います。負けたくないという気持ちが練習したり戦術を考えたりするモチベーションにもなるので。僕自身すごく負けず嫌いですし、その性格はゲーマーとしても活きてるかなと思っています。
プロゲーマーはゲームで報酬を受ける人を指します。特定のゲームタイトルで日本大会や世界大会を目指す場合、多くはプロゲーミングチームに所属しチームで日々の練習から大会参加までを行なっています。プロゲーミングチームはプロのスポーツチームと同じく、企業スポンサーを募り資金を捻出する他、イベント参加やグッズ販売など様々な活動から収益を立てます。また、最近ではプレイヤーが移籍する際に移籍金が発生するなど、本格的にプロとしての運営がなされています。
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