それを『ゲームゲノム』の番組で伝えたいなと考えていました
NHKは、10月15日22時45分からゲーム教養番組「ゲームゲノム」を放送します。本番組は同局初となる“ゲーム教養番組”で、MCを本田翼さんが務め、特別ゲストには星野源さん、そしてコジマプロダクションの小島秀夫監督が出演し、『DEATH STRANDING』を深掘りしていきます。
賛否両論になることは想定していましたし、むしろいろいろな意見をたくさん言ってくれるのはありがたいなと思いました。意見が多いぶん、それだけ各作品に対して熱量の異なる方たちが、『ゲームゲノム』という番組に集まってくれて、それぞれ感じたことをSNSなどで発言してくれる。すごく盛り上がっているなと実感することができたので、作り手としてものすごくありがたかったですし、ご批判やご指摘も含めて、真摯に受け止めつつも、とてもうれしかったですね。
MC三浦大知がRPGの名作「ロマンシング サガ2」に迫る。強大な敵をひらめいた技で倒し平和を取り戻す冒険の魅力を、金子ノブアキ、開発者の河津秋敏と語り尽くす。
「ゲームは文化だ」。今回は伝説のRPG「ロマンシング サガ2」を取り上げる。圧倒的な存在感のボスキャラやバトル中に新たな技をひらめく斬新なゲームシステム、そして壮大な歴史を紡ぐ物語など、多くのプレイヤーを魅了してきた。MCの三浦大知が、シリーズファン歴30年のミュージシャン・俳優の金子ノブアキと、ファンから河津神と慕われる開発者の河津秋敏とともに、ひらめきで歴史を作るゲームゲノムを徹底解剖する。
平元クリエイターの皆さんは全員、「プレイヤーが作品を遊んだ上でその魅力を味わったり、感じたりしてもらう。その先の感想は千差万別でいい」と最初にお話されるんです。でも、『ゲームゲノム』ならではの作品の魅力の伝えかたがあるんじゃないかとお話して、収録に臨んでもらうと、皆さん本当に楽しそうな雰囲気で。
シリーズ1作からの愛好家である、歌舞伎俳優・松本幸四郎さんと開発者の巧舟さんとともに、痛快な逆転劇に込められたゲームゲノムがひもとかれます。
平元そうですね。ただ、熱意がなくて言語化されている企画書はひとつもなかったのも間違いなくて。そのうえで、何て言えばいいんでしょうか。どれも熱意があって、ちゃんと言語化されているんですけど、「何がこの作品の“ゲームゲノム”なのか、この番組で何を伝えたらオーケーとされるのか」、拡大版を含めて2本しか参照できる番組がなかったので、企画書を書いているディレクターたちも手探りだったと思います。
平元NHKとして正式に、何か決まっていることをお伝えできる状況ではないのですが、僕たち制作班としては、シーズン2と言いますか、新たな『ゲームゲノム』を作りたいという気持ちは強く持っています。
ゲームを「文化」として捉え、名作の魅力を深堀りする教養番組「ゲームゲノム」。作品を徹底分析したVTRをもとに、ゲームを愛する豪華出演者たちが語りあう。今回取り上げるのは「ペルソナ5」。開発者の橋野桂、作品のファンである野田クリスタルを迎え、人の心の中に入る特殊な力を持った高校生が、悪人たちと心の世界で戦う「心のRPG」のだいご味を熱く語る。橋野がゲームに込めた、現代の若者たちへのメッセージとは?
――本日(2022年12月21日)には、最終回となる10回目の『ゲームゲノム』が放送されます。取り扱う作品は『TOKYO JUNGLE』と『Stray』ということで、ちょっと不思議な組み合わせですよね。動物つながりはわかるのですが、メーカーやジャンルも異なるので。ぜひ見どころを教えてください。
とはいえ、レギュラー化するにあたって、僕ひとりで何本もディレクターを務めることは物理的に不可能なのは明々白々でした。さらに、僕ひとりが考える“ゲームゲノム”だと作品のチョイスや番組のメッセージが偏ってしまい、絶対に面白くならないという意識もあって。その段階でまずは“ゲームゲノム制作班”をどうやって作っていくのかというような組織論も含めて話し合いを行い、2022年の2月、3月ぐらいからレギュラー化に向けて具体的に動き出した感じです。
というのも『ゲームゲノム』の番組のコンセプトは、ゲームを文化や作品として捉えて、文化としての魅力を伝えるってことなんですけど、そこに“古今東西の”って言葉をつけたんですね。これはゲームだけではなくて、映画や音楽などもそう思うんですが、名作と呼ばれる作品たちは、時代や作られた場所は関係ない。普遍的な魅力や価値、メッセージを持っていると僕は信じていて。それを『ゲームゲノム』の番組で伝えたいなと考えていました。
たとえば、パイロット版の『デス・ストランディング』では“繋がり”をテーマに扱いましたが、別の作品で“繋がり”をテーマに番組を制作することもぜんぜんありえると考えていて。そうなったときに、『デス・ストランディング』の“繋がり”と別の作品の“繋がり”の違いはなんだろう、と。それぞれ得られる体験があって、同じ“繋がり”というテーマでも、作品論や文化論の違いを明確にできると思います。本数を重ねていけばいくほど、比較がよりおもしろくなっていくような番組像が『ゲームゲノム』で目指したいところではありますね。
NHK教養番組『ゲームゲノム』のレギュラー放送は終了。
正直に言うと、当初想定していた放送のラインナップとは、順番が少しだけ入れ換わりました。ただ幸いにも、『ゲームゲノム』は毎回テーマが独立していますし、前後の関連性がない番組なので、視聴者の方にはあまり影響がないので大丈夫かなとは思っていましたけど、裏ではいろいろとやりくりをしていたんですよ。
ゲームゲノムの再放送は決まった日時がなく、ときどき『傑作選』のような形で再放送されます。